大室山(おおむろやま)は約4000年前の噴火でできた直径250~300mほどのすり鉢状の噴火口を持つ火山です。
伊豆東部火山群の中でも最大のスコリア丘(きゅう)であり、古くからおこなわれてきた「山焼き」の伝統行事によって、椀を伏せたような山体・地形が見事に保たれています。山体全体が国天然記念物の指定を受け、山体の保護のため現在は徒歩での登山は禁止されています。山頂へはリフトをご利用ください。
約4000年前の大室山の噴火では、スコリア丘ができただけでなく、スコリア丘の麓から大量の溶岩が流れ出しました。伊豆シャボテン公園がある小高い丘は溶岩が流れ出した場所のひとつです。
この溶岩の一部は海に流れ込み、
城ヶ崎海岸を作り出しました。
山頂からは天気が良ければ、
小室山や
一碧湖などの伊豆東部火山群が織りなすさまざま地形や富士山、大室山の溶岩が作り出した城ヶ崎海岸の景観を楽しむことができます。
スコリア丘が空から降り注ぐスコリアが積み重なってできる様子は、砂時計の砂がたまっていく様子にも似ています。
砂時計の中にできる砂山は、崩れながら大きくなっていきますが、斜面は一定の角度よりも大きくなりません。この角度を「安息角(あんそくかく)」と言い、砂時計やスコリア丘では30度程度になることが知られています。