伊豆半島ジオパーク

学術研究支援事業

伊豆半島ジオパークでは、ジオパークの根幹である学術資料の蓄積を目的として、伊豆半島ジオパークのフィールドを対象とした自然・人文科学調査研究を支援し、研究者を対象に調査研究費の助成をしています。

 

平成29年度

応募受付開始(2017年6月16日)

「平成29年度 伊豆半島ジオパーク学術研究支援」の応募受付を開始します。
募集要項を確認の上、指定の様式に沿ってご応募ください。

応募締切:平成29年7月31日 応募終了

 

平成28年度

実施報告(2017年3月28日)

「平成28年度 伊豆半島ジオパーク学術研究支援」および「第2回 伊豆半島ジオパーク学術研究発表会」の結果を報告します。
平成28年度は4件の研究が助成の対象となりました。

第2回 伊豆半島ジオパーク学術研究発表会 要旨集(PDF)

応募受付開始(2016年6月13日)

「平成28年度 伊豆半島ジオパーク学術研究支援」の応募受付を開始します。
募集要項を確認の上、指定の様式に沿ってご応募ください。

応募締切:平成28年7月31日 応募終了

 

平成27年度

実施報告(2016年6月15日)

「平成27年度 伊豆半島ジオパーク学術研究支援」の結果を報告します。
平成27年度は5件の研究が助成の対象となりました。

「絵画化による被災・復興状況の再現と教育教材としての利用手法の提案―1930年北伊豆地震を事例として―」
熊谷 誠
岩手県立大学大学院総合政策研究科博士後期課程
三陸ジオパーク推進協議会 推進員

本調査は、1930 年に発生した北伊豆地震に関し、資料収集、体験者へのインタビューを通じて当時の様子をイラスト化して復元することを目的とした。まず、静岡県三島市の図書館で当時の新聞や北伊豆地震の被害に関する資料を収集し、当時の時代背景と地震被害について把握した。
次に、北伊豆地震について、当時の体験者二名から体験談を聴取し、ラフスケッチ・絵コンテを作成した。最後に、絵コンテから、1)地震前の生活の様子、2)地震への備え、3)地震当時の様子、4)人的被害、5)地震後の生活の様子、の 5 つのカテゴリに分け、11 枚のイラストを完成させた。
収集した資料とインタビューの内容を照らし合わせたところ、日頃からの備えが地震発生時の被害を小さくするという教訓が得られた。このような教訓が得られたのは、収集した資料から北伊豆地震の7年前に発生した関東大震災を教訓として、地震時の火災への注意が記してあり、渡辺氏からの採話でも、集落全体で日頃から火災に注意し、家屋の倒壊に備えていたことが読み取れたからである。
また、本調査では、作成したイラストの紙芝居等の教材としての利用を検討したが、北伊豆地震当時の防災行動と現在の地震時の防災行動の比較から、過去には火元の始末と自身の身の安全の確保の両方が重視されていたが、現在では火元の始末よりも自身の身の安全の確保に比重が置かれていることが分かった。今後、紙芝居など具体的に教材として整備する際には、過去と現在では、地震時の適切な防災行動が変化していることも考慮して、教材を作成する必要があると考えられる。
以上、本調査ではイラストを用いて 1930 年に発生した北伊豆地震の被害を復元し、その中から、当時の地震防災への教訓も抽出することができた。また、作成したイラストの紙芝居等教材としての利活用についても検討した。

「1930年北伊豆地震時に動いた活断層と動かなかった活断層―姫之湯断層とそれに並行する活断層の極浅部地下構造の比較―」
中西 利典
福岡大学 国際火山噴火史情報研究所
木村 治夫
一般財団法人 電力中央研究所 地球工学研究所

1930年北伊豆地震時に明瞭な地表変位を生じた姫之湯断層と,姫之湯断層に並走しているのに1930年時の活動の報告が無く,その性状があまり明らかになっていない早霧湖断層群について,浅部地下構造の特徴の相違性,あるいは類似性を確認する目的で,地中レーダ探査と人力掘削調査を静岡県伊豆市内(旧 中伊豆町内)の3カ所で行った.姫之湯断層が位置する姫之湯地点では地中レーダ探査を1測線,また,早霧湖断層群b断層が位置する戸倉野地点では地中レーダ探査を3測線,簡易ボーリング調査を2本,さらに,早霧湖断層群b断層と徳永断層が位置する柳瀬地点では,簡易ボーリング調査を1本,実施した.地中レーダ探査では,最大で地表下深度10 m弱までの地下地質構造を示すと考えられる断面が得られた.また,簡易ボーリング調査では最大で地表下深度2 m弱までの詳細な地下地質情報が得られた.とくに,地中レーダ探査の結果では,姫之湯断層及び早霧湖断層群と考えられる地下構造が確認された.姫之湯断層では,先行研究で報告されている雁行形状や開口亀裂に関連したものと考えられる分岐形状や傾斜層といった構造が本探査断面でも見られた.また,早霧湖断層群では断層による地層面の途切れと考えられる比較的シンプルな地下形状が多く認められた.これまでその性状がほとんど明らかにされていなかった早霧湖断層群について,浅部地下構造を中心とした知見を得たことは本研究の成果である.しかし,姫之湯断層と早霧湖断層群の明確な違いについて解明するためには,まだまだ多くの課題が存在する.とくに地下構造調査の視点から見た今後の課題としては,今回確認された活断層の極浅部地下形状について,より高分解能な探査データを解析すると共に,掘削調査・試料分析を追加して構成層の形成年代を把握することによって,より詳細な検討を行う必要がある.

「南伊豆町の『手石の弥陀の岩屋』に隣接する海食洞内の地質学的調査」
今井 啓文
静岡大学大学院総合科学技術研究科

【はじめに】海食洞は波浪で掘られた洞窟で,伊豆半島各地の岩石海岸に見られ,「下田市の龍宮窟」や「堂ヶ島の天窓洞」のような景観の優れたものはジオサイトにもなっている.一方,地球科学的観点からは,海食洞は過去の海水準の代替指標となり,洞内の化石記録から地殻変動の履歴を解明できる場合もある.例えば,下田市各地の海食洞には離水した海生生物の化石が見られ,Kitamura et al. (2015a, 2015b)は,下田市周辺で,約3000年前,西暦1000-1270年,西暦1430-1660年,西暦1506-1815年に地震性隆起が起きたことを明らかにしている.このことが報道されたところ,地域住民から,南伊豆町の「手石の弥陀の岩屋」の西側に隣接する海食洞「鳩穴」内の標高約7-8 mの平坦面に,海浜に見られる円礫層(鳩穴礫層と命名)があるという連絡を受けた(図1,2).この鳩穴礫層が,7000-6000年前の海水準高位期(現在より約2 m高い)以降の年代,つまり海水準は現在とほぼ同じレベルで堆積したものならば,通常ではない営力,例えば津波による堆積物の可能性がある.もしそうならば,南伊豆町において数千年という長期間での「最大の津波の高さ」が分かる.
そこで,本研究では鳩穴礫層の堆積学的研究を行った.また,比較検討するために,隣接する海食洞(手石海食洞と命名)と龍宮窟内の海浜堆積物を調査した(図1).
【結果】鳩穴の前面は海食台となっており,円礫は,窪みに十数個の見られるだけである.鳩穴礫層は礫支持で,礫と礫の間は中粒砂で充填され,弱く固まっており,層厚1 m以下である(図3).部分的に層厚2 cm以下の淘汰の良い中粒砂層をレンズ状に挟む.礫層は円礫からなり,上方細粒化傾向を示す.最大の礫の見かけの長軸は70 cmに達する.部分的にインブリケーションが発達し,かつ洞内で相反する流れがあったことを示す.堆積物および洞内の壁面には,石灰質生物殻は見られない.
手石海食洞の海浜堆積物は円礫からなり,標高約2.5 mまで分布し,それより高い場所は植生に覆われる(図4).円礫の平均粒径は約10 cmである.龍宮窟内の海浜堆積物は,汀線付近は砂で,それより高い場所は円礫が分布し,円礫の平均粒径は約8 cmである.
【議論】鳩穴の前面には円礫や砂質堆積物はほとんどないことと,鳩穴礫層は弱く固まっていることから,鳩穴礫層は現世の堆積物とは考えられない.手石海食洞と.龍宮窟内の海浜堆積物は円礫であり,鳩穴礫層とほぼ同程度の大きさである.したがって,鳩穴礫層は,最終間氷期の海面高位期(約8万,10万,13万年前)に波浪作用が及んでいた時の海浜堆積物と考えられる.今後,鳩穴礫層の堆積年代を決定できれば,海面変動曲線との比較から,研究地域の数万年オーダーの地殻変動を求めることができる.

「伊豆カワゴ平火山の噴火様式変化の要因の解明」
石橋 秀巳
静岡大学理学部地球科学
高島 惇
静岡大学大学院理学研究科地球科学専攻

カワゴ平火山は約 3100 年前に噴火した流紋岩質単成火山であり,東伊豆単成火山群の中で初めて珪長質マグマを噴出した.この一連の噴火はサージ噴火で開始し,初期の爆発的なプリニ―式噴火から,火砕流の発生を経て,後期の非爆発的噴火(溶岩流の流出)へと噴火様式を変化させ終息した.一般に珪長質マグマの爆発的/非爆発的の噴火様式変化をおこす原因として,マグマの初期状態(温度・揮発成分量など)のちがいと,火道上昇中における脱ガス効率の違いが考えられる.そこで本研究では,カワゴ平の噴火様式変化の要因の解明を目的とし,各噴火ステージの噴出物に含まれる角閃石・斜長石斑晶の化学組成分析および石基中の斜長石マイクロライト微細組織解析を行った.
プリニ―式噴火の降下軽石,火砕流中の軽石および黒曜石ブロック,溶岩流の黒曜石について以下のような分析を行った.まず,東京大学地震研究所の EPMA を用いて,噴出物中に含まれる角閃石・斜長石斑晶の化学組成分析を行い,それらの晶出した温度‐深さ条件を見積もった.次に,静岡大学理学部地球科学科の SEM を用いて噴出物の後方散乱電子像を撮影し,斜長石マイクロライトの形態観察と数密度測定を行った.
角閃石・斜長石の晶出温度-深さ条件は約 850℃,4~12km で,噴火様式に依存せず同じ温度-深さ経路を示した.このことから,噴火様式変化の要因は深さ 4 ㎞以浅での火道上昇プロセスの変化にあると考えられる.斜長石マイクロライト数密度から見積もったマグマの火道上昇速度は,プリニ―式噴火と火砕流の軽石で 3.7m/min 以上,溶岩流でおよそ 1.3 ~3m/min であり,プリニ―式噴火および火砕流を発生させたマグマの方が,溶岩流として流出したマグマより火道上昇速度が大きかった.このことから,火道上昇速度の低下による脱ガス効率の向上が,爆発的噴火から非爆発的噴火へと遷移した要因と考えられる.更に,火道半径を 10-20m と仮定した場合,溶岩流の流出継続期間はおよそ30-300 日と見積もられた.今後の課題として,プリニ―式噴火と火砕流の別を生じた要因と,マグマの上昇速度が変化した要因を明らかにするために,さらに研究を進めたい.

「単成火山におけるマグマ組成と山体形状の関係性の系統化」
野口 里奈
国立研究開発法人 産業技術総合研究所

本研究では東伊豆単成火山群のうち、スコリア丘と溶岩ドームに着目し、その山体形状と構成岩石の性状に統計的な関連性がみられるか検討した。これまでの調査・研究により上記検討に必要なデータセットを作成することができた。今後は作成したデータセットをもとに統計的な分析(例えば主成分分析; Maria and Carey (2007))を行って、マグマ組成および経年と山体形状の関係性があるのか追求する。

応募受付開始(2015年6月13日)

「平成29年度 伊豆半島ジオパーク学術研究支援」の応募受付を開始します。
募集要項を確認の上、指定の様式に沿ってご応募ください。

応募締切:平成27年7月31日 応募終了

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