三島溶岩の溶岩塚とその地形を利用した稲荷神社。
稲荷神社の建っている小さな丘には、こつごつした岩の割れ目に沿ってたくさんの赤い鳥居が置かれています。
この岩は約1万年前に富士山から流れてきた溶岩で、神社はこの溶岩にできた「溶岩塚」の上に建っています。
流れる溶岩は1000℃を超える高温ですが、その表面と底は冷たい空気や地面に触れて、すぐに冷え固まってしまいます。溶岩の表面が固まってしまっても、内部の溶岩はまだ流れることができます。行き場を失った内部の溶岩が、表面の「固まった溶岩」を持ち上げて小さな丘のような地形を作ることがあります。これを「溶岩塚」と呼びます。
溶岩の表面が「ふくらんで」できた溶岩塚は、その表面にたくさんの亀裂ができます。お餅やカルメ焼きが膨らむときに、表面に亀裂ができる様子に良く似ています。
鳥居がたちならぶ岩の亀裂は、このようにしてできました。
御神域にあたるこの亀裂には、むかし老狐が住みつき夜になると出没したとも言われています。