伊豆一宮、三嶋大社は、古くより三島の地に御鎮座し奈良・平安時代の古書にも記録が残され、社名・神社名の「三嶋」は地名の由来ともなっています。
三嶋大社は約2900年前に発生した富士山の大崩壊に伴う土石流堆積物の上に位置しています。大鳥居から境内に入ってすぐ右手に置かれている「たたり石」もこの土石流によって運ばれてきた大石です。
三嶋大社の祭神である三島大明神(大山祇命おおやまつみ)は、伊豆半島や周辺地域の火山とゆかりのある神様です。伊豆七島などではそれぞれの島に三島大明神の后神(妻)や御子神(子)が祀(まつ)られています。
また、三島大明神(大山祇命)の娘、木花咲耶姫(このはなさくやひめ)は、富士山に対する信仰の神社である各地の浅間神社(せんげんじんじゃ)に祀られています。三嶋大社から桜川に沿って歩いた先にある
浅間神社もまた木花咲耶姫を祀る神社です。
富士山や箱根山、伊豆諸島などの火山活動が活発なこの地で、大きな噴火のたびに神格を高めてきた三島大明神や、その后神や御子神たちが祀られた神社が多いということは、人々が大地の恵みを受けつつ、畏れをもって自然と向き合ってきた証と言えるでしょう。
境内の森やキンモクセイ、大楠もみどころです。
平成12年には、御本殿が重要文化財に指定され文化的価値の高さも認識されています。