伊豆半島最南端の石廊崎(いろうざき)からは、
海底火山の作り出した荒々しく雄大な景色を一望できます。
岬の先端には、ごつごつした岩のくぼみにへばりつくようにして石室(いろう)神社が建てられています。このごつごつした岩は、海底に流れ出した溶岩が急激に冷やされることでバリバリを砕けてしまうことでできる水冷破砕溶岩(すいれいはさいようがん)です。大小さまざまな角ばった岩がでこぼこした複雑な形の岬を作っているのです。
石廊崎の港から遊覧船に乗ってこの景色を楽しむこともできます。
石廊崎から遊覧船に乗って西に向かい、海底火山の溶岩がつくるごつごつした岩場を過ぎると、海岸の崖はやがて白や灰色の海底に降りつもった火山灰などの地層に変わってきます。
船が
ユウスゲ公園の下に近づくと、こうした海底火山の噴出物の上に、赤黒い地層が見えてきます。
この赤い色は、地上に噴出した高温の火山噴出物の中の鉄分が酸素と結びついてついた色で、陸上で噴火があったことを示す証拠のひとつです。
この赤い噴出物は、約40万年前、
伊豆半島が陸地化してから噴火した「南崎火山」という火山の噴出物なのです。
伊豆半島の海底火山時代から陸上火山時代まで、伊豆半島の歴史を一望できる、そんな景色がここに広がっています。