天城火山(最高地点は万三郎岳1406m)は20万年前頃まで噴火を繰り返していた火山です。
この天城山は豊かな水を地域にもたらす恵みの山である一方、伊豆の南部と北部を隔てる大きな地形的な障害でもありました。
伊豆の人々は天城の山を越えるために道を作ってきましたが、天城の山は険しく、多くの雨が降ることもあって、苦労して通した道もがけ崩れなどで何度も通行不能になってきました。
天城の山を抜ける天城山隧道(国指定重要文化財)は1905年に開通しました。このトンネルは地元の住民の悲願でもありました。
トンネルの開通に伴ってできた新しい天城越えルートによって、伊豆の南北はつながり、地元の人々だけでなく、多くの旅人がこの地を通過するようになりました。
文豪たちもこの道を訪れ、「伊豆の踊子(川端康成)」をはじめ、多くの文学作品の舞台にもなりました。
1970年には新しく掘られた新天城トンネルにその役目をゆずりましたが、伊豆の交通に大きな役割を果たしたこの場所を訪れるひとも多いです。