駿河湾の奥に位置する内浦は、長井崎などに守られた穏やかな湾です。
内浦には狩野川放水路の出口があり、狩野川流域の水害を防止する役割を担っています。
狩野川は、かつて富士山や箱根山から流れた溶岩流などの影響で流れを南に追いやられたため、平野の中央ではなく山地沿いに窮屈に流れるようになりました。
このため、狩野川の排水能力はあまり高くなく、1958年の狩野川台風ではおおきな洪水被害が起こりました。
狩野川放水路は、この災害後に治水事業の一環として完成されたものです。
内浦には狩野川放水路の出口があります。
放水路の出口が位置する場所は、古い採石場の跡で、現地に残された採石跡には真っ白な火山灰の地層が見られます。
これらの火山灰の地層は、伊豆が本州に衝突する前、海底火山時代に海の底にたまった火山灰です。