地下深くからマグマが地表を目指して移動するとき、上昇するマグマは亀裂を作りながら亀裂の中を移動してきます。そのため、マグマが移動した後には、亀裂の中でマグマが固まり、板のような形をした「マグマの通り道」ができます。
こうした板状のマグマの通り道のことを「岩脈」といいます。
浮島(ふとう)海岸では、かつての海底火山にマグマを供給したマグマの通り道である岩脈群を観察することができます。何回も繰り返し上昇したマグマは、地下にたくさんの岩脈を作り出しました。地下にあった岩脈群は、伊豆と本州の衝突に伴って隆起しました。その後、岩脈のまわりにあった柔らかい地層が浸食され、固い岩脈が背びれのようにして地上に姿を現しました。
海岸にそびえたつ板状の奇岩のひとつひとつがかつてのマグマの通り道なのです。