伊豆半島ジオパーク Izu Peninsula UNESCO Global Geopark

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今年度のジオガイド養成講座見送りと今後に向けた見直しのお知らせ

2026.08.18

今年度のジオパークガイド養成講座開講を見送ることをお知らせ致します。また、併せまして、これまでコロナ禍を除き隔年で開講して参りましたジオパークガイド養成講座につきましても、開講の頻度や養成講座の内容に大きな変更が生じる見通しであることをお知らせ申し上げます。

今般、このような決定に至った理由は、以下に挙げるようなものとなります。

1.認定ジオパークガイドに求められる役割の変化
伊豆半島ジオパークの設立当初は、当時の県の政策や日本ジオパークネットワークの理解に基づき、観光と防災を伊豆半島ジオパークの活動の核に据え、養成講座や認定試験の内容も概ねこの方針を反映したものとなっていました。
観光と防災はこれからも引き続き重要であることは変わりません。しかし、ユネスコの下では、さらに「地域づくりの運動」、「保全」、「教育」、さらに最近では「創造性やイノベーション」といった領域も観光や防災と同等以上に重視されています。従いまして、今後の養成講座においては、これらの領域に、より目配りをした総合的な人づくりの事業への転換を検討しております。併せて、現役の認定ジオパークガイドの皆様もこれらの分野で一層のご活躍を頂けるよう、スキルアップ講座の充実を図りたいと思います。

2.プロガイド育成の停滞
本講座では、長年に亘り「稼げるプロガイド」(スキル・知識が高度で、専業で生計を立てられるガイド)を養成することを目標に掲げて参りました。しかしながら講座の開始から10年以上を経て、養成数が200名を超える現在に至るまで、ガイド業だけで生計を立てられる方が一人も現れていないのが現実です。
従いまして、「稼げるプロガイド」を養成するという方針自体を、現役ガイド団体の代表を交え、再考する必要があると判断致しました。仮にこれまでどおり「稼げるプロガイド」の養成を目標とする場合は、民間の旅行業者、マーケティング業者などの意見を取り入れ、これまでと抜本的に異なる制度に変更する必要があります。
また、「稼げる」状況にならない根本的な原因の一つは、需要と供給、つまり依頼件数とガイド数のバランスが全く取れていないことであると認識しております。このために、これまでも少なからぬ数の方々が、せっかく認定を受けながら一度も有料のガイドとして活躍する機会を得られずに退出するといった事態を招いてしまいました。この需要と供給の不釣り合いが、悪化の一途をたどることにならないためには、養成講座の頻度や一回の養成数を抑え、新規の認定を極めて慎重に行うような供給のコントロールが必要と判断致しました。併せて、旅行エージェントへの積極的な営業やインバウンド対応の強化など、需要の掘り起こしに引き続き尽力して参ります。

3.活動環境と地域格差
これまでの養成講座では、伊豆半島の全地域からのお申込みを頂いてまいりました。他方、市町間のジオパークへの取り組みへの温度差、ジオサイトの分布、また既存の大手ボランティアガイド団体の有無などに起因して、ツアーや学校への出前授業の開催数は地域ごとに大きく異なっています。その結果、地域によっては認定を受けた方の多くが、一度も有料で活躍する機会を得られないまま退出する状況を招いております。
また、地域ごとに年齢構成にかなりの差があります。たとえば、北部は若い世代が多く住んでいるために、養成講座にも若い方の応募が少なくありません。しかし、ガイドとしての仕事の機会は極めて限られたもので、活動を継続できない方が続出しております。他方、西部・南部は地域自体の高齢化が進んでいるため、若い世代からの応募は僅かなものとなっております。そのため、優れたサイトに恵まれ比較的ツアーや教育のニーズがありながら、現在第一線で活躍されているご高齢の皆様が後継者を得ることが非常に難しい状況となっております。
このような問題を緩和するために、募集のあり方などを見直す時期にきていると判断致しました。

4.財政および社会状況の悪化
最後となりますが、県の財政事情が昨年度から急速に悪化しているばかりか、賀茂郡の小規模自治体においては人口減少と高齢化に伴い、自治体の存続自体が危ぶまれる時代に突入しました。ジオパークガイドの養成は公的な資金によって営まれています。従って、このような状況においても養成講座の開講を続けるためには、ジオパークガイドの養成が地域社会にとって果たす意義や、ジオパーク自体がどのように地域に貢献できるかということを厳しく吟味することが求められています。「稼げるプロガイド」の養成が観光振興や雇用創出に結びつくという説明は、10年以上を経てなお、専業で生計を立てられる方が皆無であるという厳しい現実に鑑みれば、説得力に欠ける議論であると言わざるを得ません。

以上のような点に鑑み、私ども事務局としては苦渋の決断としてジオパークガイド養成の抜本的な見直しを図っていく所存です。

末永く世界に誇れる伊豆半島ユネスコ世界ジオパーク、そして認定ジオパークガイドであるための大きな岐路を迎えておりますが、何卒、皆様のご理解を賜りますよう心よりお願い申し上げます。

お問合せ:
(一社)美しい伊豆創造センター ジオパーク推進部
0558-72-0520
info@izugeopark.org
担当:辻・佐々木

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