伊豆半島ジオパーク Izu Peninsula UNESCO Global Geopark

伊豆半島ジオパーク プレスリリース

世界加盟中間報告

2015.11.19

伊豆半島ジオパーク
世界加盟に関する中間報告

伊豆半島ジオパーク推進協議会

9 月 19 日に伊豆半島ジオパークの世界加盟が保留となってから本日でちょうど 2 カ月となります。一昨日の 17 日には、ユネスコ総会で世界ジオパークの正式事業化が決まり、ジオパーク活動が新しい段階に入りました。9 月 19 日以降の伊豆半島ジオパークの世界加盟をめぐる動き、ユネスコの正式事業化による影響、今後の方針などについて中間報告します。

 

経過説明

まず 9 月以降の動きをご説明します。伊豆半島ジオパークの世界加盟は 9 月 19 日、保留となりました。当日、鳥取市の会場で、ニコラス・ゾウロス会長を含む GGN のビューローメンバーから、保留の理由について「地質遺産の国際的価値、イルカ追い込み漁の問題に関して、判断するに至らなかった。追加情報を提供してほしい。詳細は後日連絡する」と指摘されました。

10 月 5 日、マッキーバー氏から、9 月に指摘された 2 項目に加え、8 項目、計 10 項目の指摘事項が盛り込まれた書簡がメールで届きました。ところが、指摘事項に対する回答の提出期日などの手続きに関する記載がなかったので、翌 6 日と 10 月 19 日の 2 回にわたってマッキーバー氏に問い合わせました。

その結果、10 月 20 日にマッキーバー氏から 2 通目の書簡が届きました。しかし、今後の手続きに関しては「ユネスコの正式事業化決定以降でないと助言できない」とあり、本日の時点でもいまだに不透明な部分が残っています。

推進協議会としてはマッキーバー氏だけでなく、その後も JGC など関係方面にも連絡して情報収集に努めてまいりました。課題への対応でも、地質的価値をどなたに評価していただくかという人選に入っていますし、追加 8 項目についても、事務局で検討を始めています。

次いで、イルカ漁の指摘に関してご報告します。昨年来、一部でイルカ漁反対の署名運動を展開していたことは情報として把握していました。世界加盟に直結する課題だとはっきりと認識したのは、6 月の現地審査のときに審査員から「1 万人を超える署名がユネスコ事務局長に届いている。事務局長あてに手紙を出すように」と指摘されたときです。この指摘を受けて、7 月 3 日に「2004 年を最後に、十年以上、漁を実施していない」「イルカ漁に対するどのような意見も排除すべきでない」などを内容とする会長親書を出しました。

 

公表のタイミング

言うまでもなく、ジオパーク活動は単に行政や推進協議会だけでなく、地域の市町の住民、事業者みんなで支えて盛り上げていくことが重要です。

先ほどご説明しましたように、①マーキーバー書簡だけでは不明確な点が多かったこと②イルカ漁については慎重に対応する必要があると判断したこと③ユネスコの正式事業化による手続きの変更が不透明だったこと-などが重なったため、それらに関する情報収集に努めてまいりましたが、確認作業に手間取り、結果として、報道各社に限らず、ジオガイドや地域の皆さまへの公表が遅れてしまいました。慎重に確認をとっていたことですので、是非ご理解をいただきたく存じます。

 

ユネスコの正式事業化とその影響

次に、世界ジオパークがユネスコの正式事業に昇格したことが伊豆半島ジオパークの世界加盟にどのような影響を及ぼすかについてご説明します。これに関しては、まだ不確定要素がありますので、現段階で確定的な見通しをお示しできる状態にはないこと申し上げます。

10 月 20 日のマッキーバー氏からの 2 通目の書簡に「新規ガイドラインの下に、再申請を行ってもらうことが必要」と書かれています。当初は「保留」ということで、2 つの課題に対する追加資料を 11 月末までに提出すればよいと考えていました。しかし、ユネスコの下での新システムとなり、「保留」の場合も「再申請」が必要となったことから、11 月末までに追加資料提出・加盟可否の判断という早期加盟の道は事実上、絶たれたと判断せざるを得ません。

 

今後の方針

伊豆半島ジオパークは現時点でも依然として、国内で唯一、世界ジオパーク候補地として国内推薦を受けているジオパークです。さらに、ユネスコの正式事業化に伴い、今後はユネスコの新システムが適用されて認定審査される最初のジオパークの一つになります。

新システムの下で、あくまで世界加盟を目指し、指摘された項目の回答準備を進めます。審査に必要な期間などについても、日本ジオパークネットワーク事務局は「審査方法などについては変わるようだが、具体的な内容が示されていないので、把握していない」と言っています。関係機関と連携しつつ、今後も情報収集に努め、確定でき次第お知らせしたいと考えています。

イルカ漁の指摘事項について、ユネスコに対しどのように対応するかは、一切白紙状態です。関係各所とも連絡をとりながら進めていきます。

振り返りますと、伊豆半島ジオパーク推進協議会が産声を上げてから今月末で 4 年 8 カ月となります。この間、日本ジオパークネットワークへの加盟(2012 年 9 月)、世界ジオパーク候補地としての推薦決定(2014 年 8 月)と順調に歩んできました。さらに「伊豆は一つ」を合言葉に、伊豆半島はかつてないほどの盛り上がりを見せております。

早期の世界加盟が困難になったとはいえ、ジオパーク活動の重要性はいささかも変わることはありません。ジオガイド、市町の住民、事業者の皆さんも期待してくれています。関係者からは「さまざまな課題に取り組む時間を与えられたものと受け止めよう」「こういうときだからこそジオパークを応援する」といった励ましの言葉が伝わってきます。時間的余裕を与えられたものと前向きにとらえて、指摘された課題にしっかりと取り組んでいきます。

以上

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