2022.11.10
ジオぱくで2022年の年間テーマとして扱ってきた「ジビエ」。これまでに伊豆の山でシカが増えている背景やその課題などについて話題にしてきました。実際に現地はどうなっているのでしょうか?伊豆の中央にそびえる天城の山に足を踏み入れ、確かめてみることにしました。
当日は気持ちの良い秋晴れで、木々の葉も色づき、まさにトレッキング日和!
山を案内してくれるのは、普段から天城をフィールドとして活動している天城自然ガイドクラブのみなさんです。
歩きながら道端の木の実を紹介してくれました。小さくて丸い実をナイフでふたつに割ってみると、「ミニチュアのキウイみたい!」味見させてもらうと、本当にキウイのようなやわらかさと甘味がありました。これはサルナシという木の実です。
歩いていくと、あちこちに幹の皮が剝げた木がありました。これはシカが食べた跡なのだそうです。ガブっとかみついた歯形も残っています。
黄金色に色づいたさわやかなブナ林。でもよく見ると若い木がなく、大木の下は落ち葉のカーペットを敷き詰めたように広々とした空間が広がっています。
シカよけの柵がある一角を訪れてその意味が解りました。柵の内側にはたくさんの植物が茂っていたからです。今ある大木が枯れてしまうと、あとを継ぐ若い世代がないのだそうです。人間社会の少子高齢化のようなことが、天城の山の中で起きているのです。
ブナの林の中の道なき道をガイドさんについていくと、ついに池が見えてきました。
八丁池は断層がずれてできたくぼみに水が溜まってできた池で、天城の山の中に静かに水をたたえています。お弁当は、道の駅天城越えにある「竹の子かあさんの店」が作っくれたおこわのおにぎりと、雨の多い天城の特産品、しいたけがぷりぷり入ったしいたけコロッケ!みんなでおいしくほおばりました。
シカが増えた理由は、手入れされない里山が増えたこと、猟師や天敵の減少、自然環境の変化などいろいろあります。環境に私たち人間も少なからず影響を与えていることを実感しながら山を下りました。