2021.10.14
伊豆半島ジオパークミュージアム「ジオリア」は14日(木)から、韮山反射炉の企画展を始めました。「なぜ韮山に建造されたのか」「どこのれんがや鉄鉱石が使われたのか」など、ジオの視点から反射炉が造られた背景をひも解きます。あわせて前年度に当推進協が実施した耐火れんがと原料の粘土の科学分析結果(速報)を報告します。
韮山反射炉は実際に大砲を製造した反射炉として日本で唯一、現存する貴重な遺構で、2015年にユネスコ世界文化遺産に登録されました。一方、当ジオパークも2018年にユネスコ世界ジオパークに認定され、同じユネスコのプログラムとして連携を進めています。
企画展は14日から来年1月4日(火)まで。反射炉周辺の地形が韮山に建設する決め手になったこと、耐火れんがの原料となった粘土を調達しやすかったことなどをパネルで解説しています。さらに、炉壁に使用された耐火れんが、燃料として使われた天城炭、鉄鉱石(岩手県釜石鉱山産)、砂鉄(下田市吉佐美産)などを展示しました。
反射炉の耐火れんがは、〇印の付いているものは河津町梨本産、無印は伊豆の国市山田山産だと言われていますが、裏付ける科学的根拠がありませんでした。推進協は今年2月から3月にかけて、梨本に残るれんが窯、山田山の粘土を採取し、反射炉修理の際に出たれんがとともに、非破壊蛍光X線分析を行いました。企画展ではその結果も展示しています。
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