2021.03.19
伊豆半島ジオパーク推進協議会は3月28日に設立10周年を迎えます。2018年4月にユネスコ世界ジオパークに認定されたことは、伊豆半島の地質遺産や人々の活動が世界的価値を持つと評価されました。学校におけるジオ学習も着実に広がっており、自分たちの住む地域の理解に寄与しています。
当推進協は2011年3月28日に13市町で発足しました。同年6月にはジオパーク活動の担い手をつくるジオガイド養成講座、12年夏にはジオ検定が始まり、ビジターセンター第1号も南伊豆町にオープン。こうした取り組みが評価されて、12年11月に日本ジオパークネットワーク(JGN)に加盟することができました。13年12月には長泉町、清水町のエリア拡大が認められ、翌14年12月には世界ジオパークネットワークへの加盟を申請しました。
順調に推移してきましたが、世界加盟は15年9月、①地質の国際的価値が不明②イルカ追い込み漁をしていること-などを理由に保留となってしまいました。しかし、ジオガイドや関係者の熱意は変わらず、教育通信発行(17年7月~)、ジオカフェ(18年2月~)など地道な活動を重ねてきました。民間事業者には、ロゴマークを使った商品開発が相次いでいます。こうした取り組みが評価され、18年4月には2度目の挑戦で世界認定されました。その後も、SDGsを盛り込んだ静岡ガスグループとの連携協定など新しい動きが出ています。
一方、課題もあります。学校でのジオ学習は伊東市や西伊豆町で活発に行われていますが、未実施の市町もあるなど、市町格差を解消して、活動を伊豆地域全体に広げ底上げを図ることが求められています。また、ジオツーリズムをテコとした地域振興も今後とりくむべき課題となっています。
【菊地豊会長(伊豆市長)コメント】
多くの方々の様々な活動に支えられ、伊豆半島ジオパークが10周年を迎えたことを大変うれしく思います。これからも伊豆地域が一体感を持つためにジオパークの活動が役立つことができるよう、地域でのジオ学習の普及をはじめ、課題を一つずつクリアしながら、世界に賞賛され続ける伊豆半島を目指し、いつまでも住み続けたい、何度も訪れたくなるようなジオパークの活動に取り組んでまいります。
【伊豆半島ジオパークの歩み】
時期 | 出来事 | メモ |
2011年3月 | 伊豆半島ジオパーク推進協議会発足 | 設立当初は13市町 |
2011年5月ごろ | 伊豆総合高校や伊東市内の小学校などでジオ学習始まる | 2020年度は54校でジオ学習実施 |
2011年6月 | ジオガイド養成講座始まる | 現在ジオガイドは194人 |
2012年3月 | 大室山、爪木崎などにジオ解説看板 | 現在解説看板は141基 |
2012年3月 | 伊豆急、フォトトレイン(ジオトレインの前身)の運行開始 | |
2012年7月 | ジオ検定(3級)始まる | のべ4736人が受検 |
2012年7月 | 初のビジターセンターが南伊豆町にオープン | 現在15カ所 |
2012年8月 | 伊豆半島ジオガイド協会発足 | |
2012年9月 | JGNに加盟(日本認定) | |
2013年12月 | 長泉町、清水町にエリア拡大 | |
2015年1~5月 | 伊豆急行、東海自動車、三島信用金庫などと相次いで連携協定締結 | |
2015年6月 | 学術研究助成制度創設 | |
2015年8月 | 応援会員、サポーター制度創設 | 現在応援会員145社、サポーター242人 |
2015年9月 | 世界ジオパークネットワーク(GGN)への加盟留保 | |
2016年4月 | ジオパークミュージアム「ジオリア」オープン | 来館者累計80,000人 |
2016年10月 | 日本ジオパーク全国大会開催 | |
2017年7月 | 教育通信発行 | |
2017年8月 | ジオパーク絵画コンクール始まる | |
2018年2月 | ジオカフェ始まる | |
2018年4月 | ユネスコ、伊豆半島を世界ジオパークに認定 | |
2019年3月 | 伊豆箱根鉄道がジオトレインの運行開始 | |
2019年6月 | ジオサイトを見直し275カ所を指定 | |
2019年11月 | チレトゥ-パラブハンラトゥユネスコ世界ジオパークと協力協定締結 | |
2020年5月 | ジオ学習資料集を発行 | |
2020年9月 | 静岡ガスグループと連携協定締結 |
以上