2020.06.08
伊豆半島ジオパーク推進協議会は今年度の「伊豆半島ジオパーク学術研究助成」について、3件の研究を採択しました。この助成制度は、伊豆半島をフィールドに調査、研究しようとする研究者に最大30万円を助成するもの。研究者は、来年3月に予定されている発表会で先端研究の成果を市民向けに分かり易く講演することになっており、学術資料が充実し、国際的価値もある論文が期待されています。
この制度は2015年度に創設したもので、今回が6回目。4月15日に募集を開始し、過去最高だった前年度(11件)とほぼ同数の10件の応募がありました。今回の応募の特徴は半数の5件が人文科学系の研究だったこと。地質だけではない新しい視点からの研究が期待されます。
審査の結果、下表の3件を採択しました。うち初の人文科学系の研究となった大村さんの研究は、静浦地区(沼津市)に点在する家形石棺を持つ古墳について、精密な三次元計測を実施して制作技術を明らかにするとともに、使われている凝灰岩の化学分析によって石棺の採石地を推定しようという試みです。
採択研究の内容は次の通り(年齢は6月8日現在)。
採択者 研究名称、内容
神戸大学内海域環境教育研究センター助教
羽生田岳昭さん(46) 伊豆半島沿岸における南方系ホンダワラ類の分布及び遺伝的多様性の解明
筑波大学大学院生命環境科学研究科大学院生
篠原叶実さん(23) 共同研究者1人 地質条件に基づく伊豆半島の海食地形の分類と形成条件の体系化
筑波大学大学院人文社会科学研究科大学院生
大村陸さん(24) 共同研究者1人 古墳時代における静浦山地を中心とした凝灰岩利用の解明
以上