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2026年6月6日(土)
環境
「シカの足跡をたどって」
当日レポート
- 場所
- 伊豆市 天城八丁池
天城自然ガイドクラブのガイドとともに貸切バスに乗り込み、普段は一般車の通行が制限されている林道を進みます。登山口で下車し、いよいよトレッキングスタート。梅雨入り前のこの日は曇り空で気温も穏やか。ブナやヒメシャラが広がる、天城山らしい森の中を歩きました。
今回のテーマは「シカの足跡をたどる」こと。ガイドの解説を聞きながらシカの食痕や森の変化をたどり、生きもの同士のつながりや森林の成り立ちに目を向けました。天城山では近年、ニホンジカの増加による植生への影響が問題となっています。一見すると豊かな森ですが、大木に育ったブナの周辺に幼木はほとんど見られず、シカに樹皮を食べられた木も各所で確認できました。途中、15年前に地元の小学生たちも協力して設置した「シカ柵」を見学しました。シカの侵入を防いだ柵の内側には多様な植物が生い茂る一方、外側には植物が育っておらず、違いは一目瞭然。その光景から、シカが植生に与える影響の大きさを実感することができました。
また、天城山を代表するブナについても学びました。太平洋側においては貴重なブナの原生林が残る天城山では、ブナが高い保水力によって水の循環を支え、山の土砂流出を防ぐ重要な役割を果たしています。地下の根は、地上の枝先とほぼ同じ範囲まで広がるといわれており、参加者全員で一本のブナを囲み、その大きさを体感しました。さらに、倒れたブナからキノコやシダが芽吹く様子を観察し、森が世代を超えて循環していく姿にも触れました。
約2時間山の中を進むと、木々の間から台風の雨でたっぷりと水をたくわえた八丁池が姿を現しました。晴れていれば富士山を望める展望台ですが、この日は霧が流れる幻想的な山並みが広がっていました。ガイドからは、火山活動によって形づくられた天城山の地形や地質について解説があり、参加者の皆さまは、伊豆半島の成り立ちと自然環境とのつながりへの理解を深めました。
昼食は、天城のしいたけコロッケと地元のお母さんたちが作ってくれたおにぎり弁当を池のほとりで味わいました。
今回のツアーは、森を歩きながら自然の仕組みと人との関わりを考える機会となりました。アンケートでは、「ガイドさんの解説のおかげで、普段気づかない自然の見方を知ることができた」「森の香りや鳥の鳴き声に癒された」といった感想が寄せられました。ジオぱくでは今後も、伊豆半島の自然や文化、地形・地質の魅力を体感できるプログラムを企画していきます。ぜひ次回のイベントもご期待ください。
木の種類によって異なる感触を確かめる参加者。
シカによって皮を食べられた木々がたくさん。

ブナの倒木から新たな命が芽吹くようすを観察。

ブナの根が伸びる範囲の広さを体感。

木々の間に見えてきた幻想的な八丁池。

素朴でおいしい天城のしいたけコロッケとおにぎり。

八丁池のほとりで記念撮影。
帰り道、林道を下るバス。