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2024年11月17日(日)

環境

「海と川をつなぐ生き物 まぼろしのカニをさがしに行こう」

当日レポート

場所
河津町
2024年最後のジオぱくは、2年にわたり開催してきたテーマ「海」と2025年のテーマ「川」を結ぶものとして、海から汽水域、川まで生息する『ズガニ(正式名称モクズガニ)』を取り上げました。伊豆半島の中でもズガニ漁の盛んな河津町で、ズガニのかご漁見学と、ジオサイト「佐ケ野川遊歩道」のミニハイキングで伊豆の秋を楽しみました。

当日は、11月下旬にもかかわらず暖かく、雨の心配もない絶好のイベント日和。地元の人でも「食べたことがない」と‘まぼろしのカニ’と言われるだけあって、注目度も高く、集合場所となった河津桜観光交流館の駐車場には、静岡県掛川市や静岡市からも参加者が集まりました。会場となるファミリーアンドリゾート「川ばた」さんへはマイクロバスで向かいました。

ファミリーアンドリゾート「川ばた」さんは、河津川沿いに佇む宿で、マイクロバスを降りると、清流の音と自然の景色が出迎えてくれました。受付の後、さっそくレクチャールームにて川嶋先生のズガニ講座となりました。一般のカニとの違い、爪に毛が生えていること、同じ川のカニでもサワガニは海に行かないが、ズガニは毎年秋から冬にかけて海に向かい、産卵し、春には稚ガニが川を上り生活を始めるといった海と川両方がないと生きられない生態など学習しました。さらに、ズガニが上海ガニとして有名なカニの親せきであると聞き、お昼ごはんのズガニへの期待値はますます高まりました。

次に参加者は、宿のご主人に連れられ、前日に仕掛けをした目の前の川、河津川を訪ねました。サバやイワシなど魚のあらを入れた仕掛けと、カニの行動に合わせて仕掛けたモジリと呼ばれる、入ると出られなくなる仕掛けを見学しました。もじりの仕掛けた場所は、ご主人が子どものころからの経験で見つけたとっておきの場所。川から引き上げると見事にカニが入っていて、この日の収穫は10匹でした。

つづいて、伊豆半島ジオパークの地質サイトである「佐ケ野川遊歩道」へお散歩に出かけました。会場から歩いて5分ほどの場所にある「三養院の滝」を目指しました。佐ケ野川は上流にある鉢の山の噴火によって流れた溶岩に沿ってできた川で、溶岩が冷えて固まった柱状節理が美しい場所です。「三養院の滝」は県道の橋の真下にあり、あまり知られていない隠れた名瀑です。

会場へ戻ると、宿自慢のズガニ料理(茹でズガニ(オス、メス)、炊き込みご飯、ズガニ汁)がテーブルいっぱいに並んでいました。宿の女将からズガニの食べ方(甲羅の外し方、はさみの使い方など)ズガニのオスメスの違いを教えていただき、実食となりました。やはりカニを食べると皆さん静かに。聞こえてくるのは「おいしい!」の言葉ばかりでした。食べきれなかったカニは、パックに詰めてお持ちかりいただきました。

さっきまで川に居たズガニたち

                             
カニの罠はこんな風になっています 

                             
ジオパークのサイトでもある佐ケ野川遊歩道

                             
この美しい川にカニは棲んでいます


佐ケ野川遊歩道をたどって会場へ

   
ズガニポーズで「いただきます」!