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2024年1月8日(祝・月)

「南伊豆のあまさんから聞く、海の仕事のお話。海の幸でわっぱ飯を作ろう」

当日レポート

場所
静岡ガス ショールーム柿田川
2024年『ジオぱく』のテーマは、2023年に続き「海」。伊豆の海は、まだまだ話題に事欠きません。今年の第1回は、「海のお仕事」に注目しました。

昔ながらの海のお仕事と言えば、身ひとつで海に潜って貝や海藻を採る、あまさんを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。この日も会場となった静岡ガスエネリアショールーム柿田川には、南伊豆であまさんの仕事をしている武田仁志さんをお招きしました。「あまさん」、地元では、「潜ぐ(かつぐ)」という古い言葉を由来として、“カツギ”と呼ばれているそうで、海の資源を守るため、漁業権のある人が限定的に漁を許されています。実際に使っている浮きや網、背負子(しょいこ)などの装備も見せてもらいながら、潮の満ち引きや時間帯で漁の時期が決められていること、獲ってよい大きさや使ってよい道具もみんなで決めていることなど、細かな条件で海の恵みが管理されていることを教えてもらいました。 また、最近は海の水温が上がっており、それにともなって魚の食害が増え、ワカメなどの海藻類や貝類が少なくなっていること(磯焼け)、その結果、漁ができない時期が続いていることなど海の現状についても話を聞くことが出来ました。

後半は、はじめに、サザエのつぼ焼きを殻からじょうずに取り出す方法を武田さんから教えてもらいました。貝の蓋の内側の縁をめがけて竹串を差し、ぐるりと回して取り出します。取り出した身は、部位ごとに味見をしてみました。改めて知る機会がなかったという方も多く、発見がありました。
つづいて、海の幸を用いてお正月らしいわっぱ飯を作りました。武田さんの話にもあった磯焼けの影響で、伊豆半島で調達が叶わなかった食材もありましたが、ショールームスタッフが、‘伊東のぐり茶’を使って炊いたごはん、‘中伊豆の原木シイタケ’‘南伊豆のハンバノリ’‘伊豆の柚子に金柑’と、伊豆の食材をふんだんに使ったレシピを用意してくれました。かまぼこを飾り切りにしたり、錦糸卵を刻んだり、ハンバノリを砕いて振りかけたり、わっぱの中にそれぞれが好きなように盛り付けしました。めでたいキンメダイの柚庵焼きものせて、華やかで、ひとりひとりの個性が光る、かわいいわっぱがたくさんできあがりました。キンメダイのあらで作ったあら汁も、おいしいと大評判でした!

「男性のあまさんがいることを初めて知りました。リアルな伊豆の海と漁の話、ぜひまた聞きたです」「食材と地域の繋がりが聞けて良かった」「豪華なキンメダイがのったわっぱ飯、彩りも良く美味しくいただきました」など嬉しい声をたくさんいただきました。
今年も伊豆半島の海の世界をいろいろな角度から取り上げていきます。皆さまのご参加をスタッフ一同お待ちしております。

実際に使っている漁具を見せてくれる武田さん

                             
きれいに準備されたわっぱ飯の具材

                             
サザエの殻に、別のちっちゃな貝がついていましたよ!

                             
サザエを上手に取り出すにはコツがあります


ひとりひとりの個性が光る素敵な盛り付け

   
キンメのあら汁も付いた豪華なセットができあがりました