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2023年4月22日(土)

環境

「磯のお花見」

当日レポート

場所
平沢マリンセンター
「ジオぱく 食の探検隊」2023年の年間テーマは『海』。
第一回のイベントとして、私たちの一番身近な海、磯を舞台に選び、伊豆半島で見られる春の磯の生き物や海藻の様子を観察しました。
会場となった沼津市西浦は、「世界で最も美しい湾クラブ」に加盟している駿河湾の最奥にあります。周囲の地形に守られた波の静かな入り江で、この日も多くのダイバーでにぎわっていました。
はじめに、ジオガイドの朝倉さんから、海のお話を聞きました。西浦の海に住む生き物のこと、その生き物を育んでいるのは入り組んだ海岸線や山の樹木であること、海に面した砦のような地形から要衝となった地元の歴史などを教えてもらいました。磯の生き物の話では、生き物に詳しい子どもたちから活発に発言が飛び交いました。
磯での注意事項や、磯観察のポイントなど事前の知識のウォーミングアップを終えて、さっそく磯へ。箱メガネやタモ網など、それぞれの装備を身につけて向かいました。当日は大潮で、ふだんより大きく潮が引いていました。スタッフが見つけてくれたオニナマコの大きさに参加者一同びっくり!鵜の足のような形をしたウノアシガイ、捕まえようとすると蓋のついた足を振り廻すチャンバラ貝、貝なのに水に触るのが嫌いなタマキビ、殻に納まらないくらい大きな体を持つミスガイ(ウミウシの仲間)など、さまざまな姿と性格を持つ生き物を見ることができました。そして、春は産卵の季節。水の中にフワフワとただよっているの貝やウミウシの卵にも出会えました。もうすぐ収穫の時期を迎えるひじきは、茶色く肉厚でふさふさ。普段目にする乾燥ひじきは海の中ではこんなふうに生えているのですね。すこし肌寒い日でしたが、みんな夢中になって観察しました。

磯から上がり、一息ついて、いよいよお昼ご飯作り!作るのはおにぎりとみそ汁ですが、ただのおにぎりとみそ汁ではありません。今回は、せっかくの「磯のお花見」ということで、食材は伊豆半島各地の産物を用意しました。おにぎりに使うイワノリとハンバノリは、西海岸の米崎で採れたもの。塩は、沖の黒潮から汲んだ海水を、薪を使って炊き上げた戸田塩。みそ汁は、静岡ガス エネリアショールーム柿田川のオリジナルレシピ!東海岸からは伊東のしらす、中伊豆のしいたけと味噌と油揚げ、西伊豆の鰹節など、伊豆半島ジオパークのあちこちから調達した具材入りの味噌玉に、お湯を注いで作る贅沢な即席みそ汁でした。参加者からは、「風味があって、とてもおいしい!」と感激の声が上がりました。
ハンバノリは、‘ハバノリ’とも呼ばれる小さくて薄い昆布のような海藻で、板状に干したものを炙ってから握りつぶしてご飯などにまぶしていただきます。伊豆半島でも南の方では重宝されていますが、中伊豆や北の方では知られていないようで、新たに伊豆半島の食を発見していただく機会となりました。

次回以降も、「海」をテーマに伊豆半島の食を楽しく学べるイベントを開催予定です。伊豆の新たな食の魅力発見にぜひおでかけください。スタッフ一同お待ちしております。

ジオガイド 朝倉さんの講話「どうして西浦の海はこんなに豊かなの?」
                             
装備を固めていよいよ磯観察!

                             
こんな生き物みつけたよ!


身が殻に収まりきらないミスガイ。珍しい貝ですが、この日は何個も見つかりました。

                             
みんなが見つけた生き物たちについて説明する朝倉さん。子どもたちは興味津々!


イワノリとハンバノリをまぶした特製おにぎり。


伊豆の食材が詰まった味噌玉。お湯を注ぐとみそ汁になります!