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2022年12月4日(日)

ジオぱく 食の探検隊 ジビエ③ 食×猟×学」のトークセッション「ハレの日のジビエ」フルコース付き

当日レポート

場所
ベアードブルワリー修善寺
「ジオぱく 食の探検隊」2022年の年間テーマ『ジビエ』の締めくくりとして、「食×猟×学のトークセッション・ハレの日のジビエジビエのフルコース付き」を開催しました。静岡県伊豆市修善寺にあるベアードブルワリーのタップルームを貸切り、食・猟・学の分野でジビエに携わる3名の方をゲストに迎え、お話をお聞きしました。

「食」分野は、今回ジビエのフルコースも担当してくださった菊川市のレストラン「西欧料理サヴァカ」のオーナーシェフ山口祐之さん。お店では通年でジビエ料理を提供しながら、ジビエの普及に尽力されています。 20年前、当時働いていた一流料理店でジビエに出会ったときは、フランスから輸送されてくる高級なジビエを素材にしていましたがあまり好きとは思えなかった。ところが、現在のレストランの開店準備をしている時、地元の猟師から味見をさせてもらった野兎や野鳥の肉を食べて、あまりのおいしさにびっくり。今では、個体差や季節によって味わいが違い、一期一会のジビエの魅力を感じる仲間を増やしたいと考えています。

「猟」分野は、猟師である傍ら、富士山麓を中心に活動するネイチャースクール『森のたね』を運営している井戸直樹さん。狩猟や森林整備、自然を利用した活動をしながら森の変化を感じています。 ジビエの魅力は季節、年齢、部位によって肉の個性が楽しめること。それだけに、背景に思いを巡らせながら食べてみてほしいと話してくれました。ジビエにはおいしく食べるための狩猟のコツ(なるべく走らせない、血抜きは手早く、すぐに冷やすなど)があるそうです。そしてジビエのいいところは、一頭捕ればしばらく食べられるところ!と明るく気さくな人柄で会場を盛り上げてくださいました。

「学」分野は、静岡県立大学大学院フードマネジメント研究室の石橋弥生さん 地域によるシカの食肉の味の違いがどのようにして生まれるのか?を調べています。それぞれの地域でシカが食べているものと関連があるのかもしれません。「どのように食材を手に入れられるのか、どのように食材を扱ったらよいのかがもっと見えるようにしたい。」「『私はこの地域のシカ肉が好き』の会話がされるような未来の食卓の姿を目指しています」と熱く語ってくれました。

コーディネーターはふじのくに地球環境史ミュージアムの生物地理学の岸本年郎さん。なぜジビエに取り組んでいるのか、いま感じている課題はなにか、どうすればもっとジビエが普及するかなどゲストの強い思いを引き出してくださいました。最後にしめくくりとして、消費とは選挙のようなもので、何を選ぶかによって世界を少しずつ変えることにつながるのかもしれないと参加者に呼びかけました。

本日のジビエのコースは6品が用意され、マッチングしたクラフトビール(レッドローズ アンバーエール)とともにいただきました。

《ジビエメニュー》
○シャルキュトリー盛り合わせ
(鹿のテリーヌ、鹿タンのスモーク、猪のハム、鹿のソーセージ)
○鹿と天然キノコのコンソメスープ
○猪バラ肉のブルーチーズ煮込み、猪ベーコンとジャガイモのグラタン
○鹿のロースト、赤ワインソース
○伊豆の柑橘を使ったジュレとクリームチーズのムース
○コーヒー、小菓子


参加者からは、「うっとりするほどのおいしさ」「同じジビエでも様々な食べ方がわかって楽しめた」など、嬉しい感想をたくさんいただきました。

ジビエをもっと食卓に届けるため、そのおいしさを伝え、情報提供や流通の仕方を考え、私たちの生活の仕方を見直させてくれた登壇者の皆さんの思いが伝わるジビエシリーズ最終回でした。ジビエが自宅の晩御飯の一品になる未来をとても近くに感じました。 2023年も伊豆半島の食材をひとつテーマに据えて、楽しくて学びになるイベントを開催予定です。伊豆の新たな食材の魅力発見にぜひおでかけください。スタッフ一同お待ちしております。

「食×猟×学」分野からの登壇者のみなさん
                             
山の現状について
                             
井戸さんが持ってきてくれたシカのくくり罠や、シカ革製品


トークの裏舞台ではサヴァカのスタッフさんたちがちゃくちゃくと料理の準備中
                             
私たちスタッフもにわかウェイトレスとしてお手伝いしました(笑)


とっても柔らかいシカのロースト


いろいろなジビエの味を楽しみました