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2022年11月5日(土)

環境

紅葉の天城八丁池トレッキングツアー ~シカの足跡をたどって~

当日レポート

場所
天城八丁池
ジオぱく 食の探検隊2022年の年間テーマ「ジビエ」。これまでに伊豆の山でシカが増えている背景やその課題について話題にしてきました。実際に現地はどうなっているのでしょうか。伊豆の中央にそびえる天城の山に足を踏み入れ、確かめに行ってきました。

当時は朝から気持ちの良い秋晴れで、木々の葉も色づき、まさにトレッキング日和。歩き始める前に全員で準備体操とストレッチをして、いざ出発!山を案内してくれるのは、天城をフィールドとして活動している天城自然ガイドクラブのみなさんです。 歩きながら山道沿いの木々や実を紹介してくれました。小さくて丸い実をナイフでふたつに割ってみると、「ミニチュアのキウイみたい!」味見させてもらうと、本当にキウイのようなやわらかさと甘味がありました。これはサルナシという木の実です。サルナシは天城の山に自生しているマタタビの仲間で、この日の葉は黄色に色づいていましたが、初夏には白い花が咲くそうです。

歩いていくと、あちこちに幹の皮が剝げた木がありました。これはシカが食べた跡なのだそうです。歯形も残っていました。 ガイドさんの案内のもと、少し山道を外れて進むと黄金色に色づいたさわやかなブナ林。でもよく見ると若い木がなく、大木の下は落ち葉のカーペットを敷き詰めたように広々とした空間が広がっていました。シカよけの柵がある一角を見てその意味が解りました。柵の内側にはたくさんの植物が茂っていたからです。柵がない林では、シカが新芽や幼木を食べてしまうため、あとを継ぐ若い世代が育たず、今ある大木が枯れてしまうと空地のままになってしまいます。人間社会の少子高齢化のようなことが、天城の山の中で起きているのです。 ブナの林の中の道なき道をガイドさんについていくと、ついに池が見えてきました。八丁池は断層がずれてできたくぼみに水が溜まってできた池で、天城の山の中に静かに水をたたえています。お弁当は、道の駅天城越えにある「竹の子かあさんの店」が作っくれたおこわのおにぎりと、雨の多い天城の特産品、しいたけがぷりぷり入ったしいたけコロッケ!みんなでおいしくほおばりました。

シカが増えた理由は、手入れされない里山が増えたこと、猟師や天敵の減少、自然環境の変化などいろいろあります。環境に私たち人間も少なからず影響を与えていることを実感しながら山を下りました。

いざ出発!
         
サルナシの味見「キウイにそっくり!」
                           
柵の中は植物が茂る一方で外は落ち葉のカーペットが広がる


皮がはげた木や朽ちた大木


ガイドさんお勧め八丁池の映える撮影ポイント


「竹の子かあさんの店」のおにぎりとしいたけコロッケ


八丁池で記念撮影